住まいの断熱部分に掛かるコスト・お金を見ていきましょう。
断熱工事は他の部分の作り方とも密接な関係がありますが、ここでは種類によるコストの差のみを比較します。
吹き込み工法など特殊な工法を除いて、断熱材の施工は大工や内装業者が行うことも多く資料が少ないので、特殊な断熱工法以外は、断熱材の材料費のみで比較します。
また、断熱には床・壁・天井が考えられますが、ここでは代表して壁についてリストにします。
以下の表で、単価とは平米あたりに掛かる金額のことで、参考コストは下記の条件でかかる金額の総額を示します。
当コスト表での標準モデル
外部に関しては、温暖な地域、1階2階とも60平米、高さは各階3Mとします。
内装に関しては、標準居室は8畳間、床面積12平米、壁面積25平米とします。
その他の設定条件は各部分ごとに表記します。
断熱材の種類による材料費の比較 外壁 壁面積160平米と想定 | ||
材料、仕様他 | 単価 | 参考コスト |
グラスウール厚100mm 密度10kg/m3 | 760円/平米 | 121,600円 |
グラスウール厚100mm 密度16kg/m3 | 1,100円/平米 | 176,000円 |
グラスウール厚100mm 密度24kg/m3 | 1,630円/平米 | 260,800円 |
ロックウール厚75mm 住宅用 | 760円/平米 | 121,600円 |
ロックウール厚100mm 住宅用 | 1,000円/平米 | 160,000円 |
押出発泡ポリスチレン厚25mm | 1,050円/平米 | 168,600円 |
押出発泡ポリスチレン厚50mm | 2,100円/平米 | 336,000円 |
羊毛断熱材厚50mm | 2,200円/平米 | 352,000円 |
現場発泡断熱材厚50 材工とも | 2,500円/平米 | 400,000円 |
材料によって、かなりコストに違いが出ます。
現場発泡断熱材は高めですが、隙間なく断熱できるので効果は高くなります。
また現場発泡断熱材が良く使われるようになったためか、吹き込み工法は減ったようで、資料がありませんでした。
一時入手が困難だった断熱材ですが、2009年と比べると、ロックウールのコストがかなり下がっています。
その他の断熱材は、大きな変化はないようです。
上記でロックウール75mmの断熱性能と同じ性能の断熱材料は、グラスウール10Kで90mm、グラスウール24Kで75mm、押出発泡ポリスチレンで55mmです。
では、同等の性能をもつ断熱材同士でコストを比較しましょう。
断熱材の種類による材料費の比較 外壁 壁面積160平米と想定 | ||
材料、仕様他 | 単価 | 参考コスト |
グラスウール厚100mm 密度10kg/m3 | 760円/平米 | 121,600円 |
ロックウール厚75mm 住宅用 | 760円/平米 | 121,600円 |
押出発泡ポリスチレン厚50mm | 2,100円/平米 | 336,000円 |
定番のグラスウールがコスト面では有利ですが、施工時にチクチクしたりするので敬遠されがちです。
そこで同等のコストであるロックウールの利用も効果的です。
断熱性能が高い押出発泡ポリスチレンはコストの面では不利ですが、断熱部分を薄く出来る利点はあります。
断熱材は隙間なく敷き詰めることが大切なので、施工性の高さも大切です。
その上で断熱性能を満たす材料の中から、コストダウンを考えるべきなのです。
注)コストには地域差や各業者による差があります。
住まいのコストは毎年少しずつ変わっています。
そこで各部分のコストの流れを比べるために、過去のコストも掲載しています。
2009年更新 断熱部分のコスト 別窓で開きます
20110903作成